月報前期 表紙絵紹介
作品解説
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その年の春、三年間の勉学が実を結んで、京都大学へ入学した彼女は、静かな面持ちでやって来た。 夏からの制作を約束して6月から私のアトリエに通うようになった。入学して2ヶ月経つと、忙しい毎日らしく、1ヶ月のモデルの時間も6回か7回位しか取れず、素描に時間をかけ、初歩的な感案に重点を於くことにする。若さと共に希望に燃える眼差しは、私の気持まで新鮮になるのをおぼえる一刻であった。暑い夏を汗して秋10月に完成を見たのである。想と云う題名でその造影の記に“発溂とした若人の像です。若さの中に広がる夢、そして自分の生きて行く途を求めて、苦労にも、困難にも、打勝って行く事を祈念して制作しました。”と記してある。 |