「おばちゃん、おはよう!」
日常、社員食堂などで交わす普通の挨拶である。これがセクハラになるかどうか、少しお考えいただきたい。
フォーラムにご出席だった方は答えがお分かりになるだろう。これは「セクハラ」なのである。パネリストの中からも実体験として、同様のご報告があったのだから笑いごとではすまされない。
“これではうかつに挨拶もできないじゃないか”
そう思われた方も多いのではないだろうか。
セクハラは、他人への気遣いを心がけてさえいればいいのだとのことだが、この一例をとってみても取扱いが大変むずかしい問題である。
「性的関係を強要する。抱きつく。性的要求に応じないので、仕事上の不利益を与える」
誰が考えても、これはセクハラにあたる。
では次の例はどうだろうか。
「女性の水着姿のカレンダーを置いている、ヌードのスクリーンセーバーを使っている」
これも立派なセクハラだそうだ。
「『早く結婚したら?』『女らしくしろ』などと言う」
これもダメ。
こうなると老婆心ながら“会社で何もしゃべれない”という会員がいらっしゃらないかと心配してしまう。
「ここまで厳しくしなくても、と私も思いますし、これなら私のまわりはセクハラだらけということになります。会社でコミュニケーションが取れなくなるのでは、と反対に心配します」
女性パネリストの西田さんからのこの発言にほっと胸をなでおろした。しかし、相手が不快と受けとったらもちろん「ダメ」なのである。
さらにこのセクハラ問題は「私さえ気をつけていれば」ということでもないらしい。経営者の多いRC。ことは事業所の賠償責任にまで及ぶのだそうだ。数多くの判例があり、「あくまで本人同士の問題」と片付けられないのである。
「現在までの裁判のうち95%が敗訴でした。まず、訴えられたら終わりと思って間違いないでしょう」
閉会挨拶で、弁護士の小西副会長がおっしゃった。
「うちの会社でもぜひセクハラの研修会を」とお考えの方は、無償で企業講習会をしてくれるところがあるので、末尾記載の事務所にお問い合わせいただきたい。
今回パネリストをお務めいただいた木村光博会員、川越会員、石川会員、そしてRACの西田さんそれぞれ本音のご意見をありがとうございました。
さて、最後に某会員からでた質問をひとつ。
「宴会の席でコンパニオンの足を触る、これはセクハラでしょうか?」
植田先生の答えは、
「原則的にはセクハラです」
夜の宴の出席者が減らなければいいが…。
●「21世紀職業財団京都事務所」(TEL672-8100)、詳しくは米川または事務局までお問い合わせください。
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