月報前期 表紙絵紹介

『色絵象香炉』


西村七兵衛 会員 作
作品解説
 私が作陶を始めてはや40年。一向に上達せず、「プロになるわけでなし、あくまでも楽しめれば!」と自らを慰めてはみるものの、やはり上手に作りたいと思うのが人情だ。
 今、私が会長を務める洛陶会は素人の集まりながらその歴史は古い。当会の歴史に詳しい学者に出逢い、近年刊行した50周年誌に寄稿いただいたところ、当会は大正8年創立。初代会長は当クラブの松風先輩の祖父松風嘉定氏。二代目は西本願寺光瑞門主の弟、大谷尊由氏。戦後は楠部彌弌氏の呼びかけで再興。矢代弐兵衛、亀井亮治郎、三谷與一郎、滝井治三郎、須田国太郎、池田遥頓など実業家、芸術家、弁護士などが会員の、大変歴史ある会であることを知った。
 表紙作品の象は本を調べ、本物を見に動物園に足を運んで3ヶ月、ようやく仕上がったもの。
 さて趣味の作陶が本業の出版業にプラスになろうとは思いもよらなかった。時間があれば展覧会など、美しいものを求めて歩いているが、それが企画に編集にレイアウトにと影響している。最近そのことに気づき、我ながら驚いている今日この頃である。

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