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10月7日(木)13:45 職業奉仕部門フォーラム「愛宕の間」参加者:59名 |
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「武士道と現代の経営との講演テーマ」
今の日本は、日本の古いやり方を捨て去って、グローバル・スタンダードを取り入れ、これに順応していくことが必要であり、そのような態度をとることが国際化していくことに他ならないとする発想。また今の日本は、欧米型の個人主義を導入して、経営スタイルと雇用方式をアメリカ風に変更していくことが国際化であるとする考えが何の疑問も抱かれずにまかり通っている。このような発想法には、日本文化に備わる、そして日本文化に固有の個人の自立のあり方という問題認識もなければ、もとよりそれを探求しようとする意欲のいっぺんすら感じることができない。そこで、
もともと日本には武士道という卓越したモデルがある。それは欧米人の個人主義とは違った形ではあるが、やはり個人の存在を重んじる思想である。
武士道といえば、己を犠牲にして、主君に絶対服従の忠義を捧げる道徳であると思われがちであるが、決してそうではない。たとえば徳川時代を代表する武士道書として有名な「葉隠」は、確かに一方では主君の命令に対する恭順を説いているけれども、他方では「自己の信念に照らして納得のいかない命令であったなら主君に対してどこまでも「諫言」を呈して再考を求めるべきである」とも主張している。さらに、主君の間違った根性を直し、藩と御家とを堅固に鍛え上げていくよう奮闘努力することが大忠節であると断言している。よって、武士道における「忠義」とは奴隷の服従でもない。主体性を持ち、見識を持った自立的な武士の、責任ある決断としての献身の行為。と言われ、個々の武士が主体的であり、自立的であって、始めて真の忠義の実現ができる。故にこのタイプの人間をどれだけ多く抱きかかえているかという点に「御家」=組織の強さは依存する。
この様な武士道を踏まえて強かった日本経済を取り戻す最も有力な方法は、日本の伝統社会が蓄積してきた文化、芸術の財を活し、日本ならではのモノづくりの実現、高付加価値型の経済システムを樹立することが必要であると講演された。職業奉仕委員会 副委員長 松田 令
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