京都南ロータリークラブ

　1989年6月に入会を許されて以来、40代から50代の壮年期を京都南ロータリークラブの会員として過ごさせていただきました。そして、この度、はからずも2012～2013年度の会長を拝命し、身の引き締まる思いです。これまでいただいた多くの出会い、学びに感謝し、少しでも恩返しさせていただけるよう、精一杯努めさせていただこうと決意した次第ですので、何とぞご指導、ご協力のほどお願い申し上げます。
　さて、RIでは30年ぶりに田中作次氏が日本人として会長に就任されます。田中RI会長のテーマは「奉仕を通じて平和を」Peace Through Serviceです。また、第2650地区ガバナー河本英典氏は“Bridge The Gaps”（隔たりをなくそう）をスローガンに掲げられました。これらを受け私は、京都南ロータリークラブのテーマを

「響働」　　絆のネットワークを創造しよう

　　と、させていただきます。
　今の日本は明治維新、第2次世界大戦の敗戦に次ぐ第3の大きな転換期といっても過言ではない状況にあると思います。リーマンショックやヨーロッパの財政危機による円高などの経済問題、年金や消費税をめぐる政治の混乱、環境問題、高齢化・少子化問題、教育問題など、さらには東日本大震災、津波、原発事故と枚挙にいとまがありません。そして、これらの困難な問題に果敢に取り組んでいるロータリーもまた、多くの困惑を抱えているのも現実ではないでしょうか。戦後の復興期を担い、驚異的な経済発展を遂げられた世代の方々、また、その恩恵に浴してさらなる発展を目ざしておられる世代の方々、我がクラブにはその両方の世代の方が多数おられます。その両世代に共に呼びかけられていることを私は「響働」という言葉に込めさせていただきました。
　京都南ロータリークラブの伝統は、世代を越えて仲が良く、会員間の親睦が深いのが特徴といわれています。その活動は活発で、地区内でも大いに認められています。特に昨年度、今西信裕地区ガバナーを輩出し、地区大会、日台親善会議を主管した実力は高く評価されています。しかし最近ロータリーへの関わりにおいてわずかながらの軋みも見え隠れしてきているようにも感じます。
　今一度、会員お一人おひとりがご入会されている意義の大きさを感じていただくのは大事なことではないでしょうか。京都南ロータリークラブはお仕事の上でも社会的お立場からも、たとえロータリーに入会されていなくても十分に社会でご活躍できる方ばかりが会員のクラブです。逆に考えれば、そんな素晴らしい方々が集われている我がクラブは本当に大きな可能性を秘めたクラブであり、歴代の会長はその可能性を引き出し、活性化することに取り組まれて来られました。
　素晴らしいお一人おひとりが集われれば、そこには“響働”の場が生まれます。そして、その方のお仕事、すなわちライフワークがより広く社会に貢献できる機会が生まれるのがロータリーの場です。それも信頼に満ちた絆のネットワークがベースにあってのことです。京都南ロータリークラブの諸先輩が築かれて来た温かで和やかな親睦の原点は絆のネットワークに根ざしたものだと思います。日本の復興を支えてこられた先輩方と、日本の未来を築いていかれる若い会員の出会いが新しい智慧とビジョンを生む場となり、クラブにも会員個人にも成長と進化をもたらすものと信じます。
　この時代の変革期に求められる新しい価値観、新しい人間観・世界観をいち早く見出して行くクラブになりたいと願います。
　さあ今こそ一人ひとりの奥底にある根源のエネルギーを発揮して、新しい時代の魁になりましょう。200人を越える会員と、60年の伝統があるからこそ結集できる智慧とエネルギーで、元気に溌刺と時代に挑戦していこうではありませんか。
　今求めるべきは物質的豊かさより絆のネットワーク、克服すべきは自分さえ今さえよければという利己心であるということをここに再認識し、ロータリーの理想である「超我の奉仕」の精神を少しでも具現化するため、その誇りの象徴、ロータリーバッジを胸に響働してまいりますので会員の皆さまの熱きおこころをよろしくお願いいたします。