「砂場で遊んでいる3歳児より幸せになれない。なぜなら、私たち大人は、『競争に勝つことや、お金持ちになること、成功すること』に幸せがある、と思い込んでいるからです」
今回のフォーラム講師、松井和先生のお話の一節である。
幸せのものさし、をかえる、ということで、ともすれば不平・不満・愚痴・妬み・嫉みで充満しがちな私たちの日常も「砂場で遊んでいる3歳児」と同じように、幸せに思えてくるのではないだろうか。
「大変よかった」「是非、DVDを」と、たくさんの方からご好評をいただいた。担当させていただいた青少年委員会としては、大変うれしくありがたいことである。
「子育ては、しょせん『ばくち』ですよ。それより、子育てを通じて『親心』が育つ、これが一番大切なことなのです」
「宇宙は、なぜ、私たちに、絶対的弱者である0歳児を与えたか。その意味を考えると『親心』を育てるということに尽きるのです」
私も大嫌いな「欧米では…」「福祉先進国スウェーデンでは…」という論調で、教育評論家や教育関係の学者、はたまた官僚が物知り顔で唱える子育て・教育論を、松居先生は舌鋒鋭く論破される。その小気味よさに、会員諸兄の胸のどこかにひっかかっていたものがすっきりと、取れていくような印象をもたれたことと思う。
日本という国は実にすばらしい。よいものをたくさん持っている。先進国の中でも、増加傾向にあるとはいえ、奇跡的に離婚率が低い国なのである。そのことはすなわち、親心をはぐくむ環境がまだまだ残っている、ということなのだ。このまま福祉が充実し、スウェーデンやワシントンDCなどのように、生れてくる子の二人に一人が私生児、すなわち、生れたときから父親がいない、という国になることが、果たしてよいことなのだろうか。家庭、家族が崩壊した社会では親心は育つべくもない。
今回のフォーラムをきっかけに、会員諸兄のご尽力により、ご家族、ご親族、ご関係者、また次代を担う新世代の青少年に「親心を育む大切さ」を伝えていただければこれに勝る喜びはない。 出席者 会員62名 他会員関係者9名 計71名
青少年委員会 委員長 米川安宜
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